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ネオゴシックRPG
ラストレクイエム
最終更新2022.01.30
サンプルシナリオプレイ時の注意事項を追記(2022/01/30)
トーキョー・シリーズのルールをベースにしたアクションホラーTRPGが登場。
現代世界を舞台に、背魂者(レムレス)討滅のため、人(ネオ)と妖魔(ゴシック)の共闘が始まる。
- ■概要
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基本的なシステムはトランプを用いた判定・3枚の「スタイル」によるキャラクター構成・神業によるストーリー介入と、従来のTRPGとは一線を画する特徴的な仕様。公式サイトのDOWNLOADよりルールサマリーやサンプルキャラクター、神業表、付属シナリオのトレーラーに加えユドナリウムのデータパックなどが公開されています。
※世界観的なイメージは以下も参考になると思います。
ラスレク予習講座1
ラスレク予習講座2
ラスレク予習講座3
ラスレク予習講座4
同系統のシステムを用いてきたトーキョーN◎VA・トーキョーナイトメアとは異なり、未来色を極力排除した現代世界が物語の舞台。
プレイヤーキャラクターは"背理討滅機関ヴァルハラ"という機密組織に所属し、人知れず「生ける死者」レムレスとの戦いに身を投じることになります。
プレイヤーは7つの妖魔種族を表す"ゴシック"と7つの戦闘技術等を表す"ネオ"、計14種類の「フェイトのスタイル」より2つ、更に職業や地位を表現する"ステータス"から1つを自由に組み合わせ、様々なキャラクターを使って遊ぶことができます。
人か妖魔かはフェイトのスタイル選択で決定され、"ゴシック"を一切取得しない場合は純粋な人間、そうでない場合はゴシックの血族になります。
※例として、「銃を使い戦う吸血鬼ハーフの貴族」ならフェイトに吸血鬼のゴシック"オルフェウス"と銃使いのネオ"トリガー"・権力者を表すステータス"ハイソサイエティ"を取得。「人狼と鬼の混血の風来坊」ならフェイトはゴシックから鬼の"モノケロス"と人狼の"ベルセルク"、一般人のステータス"デイリーライフ"を取得…といった具合です。
フェイトのスタイルはイメージに合わせた様々な特殊スキルを取得することが可能です。
また、スタイルごとに固有の「神業」を使用できます。神業の効果は多種多様ですが、フェイトのスタイル神業は「相手を一撃で殺す」「事象を改変してどんな事でも引き起こす」といった、他のゲームには見ない強力な効果となっています。またステータスの神業は戦闘ダメージなどの直接的な効果こそありませんが、「情報を隠蔽する」「社会的圧力を加える」「シーン内のNPC(戦闘能力の無い者)全てにいうことを聞かせる」といった効果を持っており、シナリオへの介入が可能となっています。
N◎VAやTNMを触った人にはお馴染みのシステム。そうでない方はトランプによる判定や神業の使用など若干戸惑う部分はあるかもしれませんが、判定やルールに関する記述は理解しやすい洗練された内容となっており、公式サイトにてサマリーや各種チャートに加えユドナリウムのルームデータも完備の親切設計となっています。
超人的な力を持った人間と妖魔が織りなす退魔アクションもの、といったジャンルに興味があれば是非ともお勧めといったところ。
価格は基本ルールブックが\3,800(ルールの他サンプルシナリオ[※]2本掲載)、シナリオ4本と追加データを掲載したSSS Vol.1(\1,800)も発売中です。
[※]サンプルシナリオ1は推奨人数3人から2人かつサンプルキャラクターそのまま使用する場合、ルールブック記載以外にもGM側で戦力を調整してください。具体的に言うと高い制御値と装甲でアタッカー役のPC2の最大攻撃でさえダメージが通りにくい上に〈鉄身〉〈鉄身II〉が待っており、高確率で全滅する危険性があります。制御値・装甲値を2、与ダメージを4程度下げた状態でプレイしたところなんとかなりましたが結構ギリギリでした。(ネタバレにつき文字色反転)
※ここより先は、トーキョーN◎VA・トーキョーナイトメアを知っている方向けの解説となります。
- ■トーキョーシリーズとの違いなど
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基本的には「トーキョーN◎VA The Axleration」「トーキョーナイトメア」がベースとなっており、そちらをご存知の方には説明不要のレベル。
ルールはほぼ同様ですが、今回はスタイルや神業の種類は勿論スタイルが「フェイト」と「ステータス」に分かれており、神業は各プレイヤーごとに戦闘系2・情報系1となっています。
スタイルはタロットモチーフではなく、ゴシックは「七つの大罪」、ネオは「七徳」由来とのこと
また、敵は原則として"レムレス"です。「ブレイドオブアルカナ」における"殺戮者"のような存在で、やはり多数の神業を持っています。
※聖痕の解放のような、"PCが堕ちる要素"は無いので「レムレスではないPCと同等のデータを持った敵との戦い」も可能となっています
ルール面での相違点は、TNM→N◎VAからの差分同様、「一般技能同士の組み合わせ不可」。全判定に〈知覚〉〈社会〉を組み合わせて達成値を伸ばすような事はできません。
また情報収集難易度も段階的ではなく単一(一発判定)形式です。
他にも「パリーが無い(武器に受け値の概念が無い)」「社会戦が無い」「シーンカードが無い」「ゴーストがない」等の違いもありますが、特にシーン関係が大きく異なります。
TNMで導入された「判定は1シーン1回」に加え、ラストレクイエムでは登場判定と舞台裏判定がありません(宣言のみで登場可能)。
また、表舞台に搭乗しなかったPLに加えGMも手札1枚を交換してよいと明記されています。
※リサーチに手こずるとGMの手札が良くなっていく仕様
手札回りもルールが変更されており、カード使用即補充ではなくシーン終了時に補充となります。これにより戦闘バランスも大きく変わっています。特に攻防担当するPCは手札管理がかなりシビアです。
その分ソロ(個別導入)プレイとバディプレイとでPCの手札上限が変わる(P159)、1ターン目のみGMの手札がPC人数分増える(P165)等従来のものと異なるシステムが結構あります。
スタイル技能に相当する「特殊スキル」は特技・秘技・絶技の3分類。初期作成時点で特技8レベル・秘技2レベルを取得でき、最初からそれなりに技能を持っているのも違いと言えます。名称や内容は見覚えがあるものも多いですが、「なんとなく似ているけど別物」な場合もあるので忘れたほうがいいでしょう。
同じイクサガミでも〈修羅〉ではなく〈闘神〉なのです
アイテムは常備化コストが若干重めの設定で、特技の取得と費用対効果的には大差なくなっています。また、旧来の「外界値以下の装備を全部持っておく」といった行為はできず、取得はGMが認める場合に限り1シーン1つまでと制限されています。
ジャンルがアクションホラーになったこともあり、基本全キャラ戦闘力を持つことになります。逆に神業は必ず全員1つは戦闘ではない情報系(ステータス神業)を使うことになります。N◎VAやTNMのように「余ったらオチに使おう」ではなく(経験値の都合上)基本としてPC人数分使うことになるのでシナリオを組む際には考慮点に含めたほうが良いかも。
作成:三元の間
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