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トーキョーN◎VA The AXLERATION

SSS 1 "ナイト・ムーヴズ(Night Moves)" プレイレポート



 ■プレイ状況
 RL参加。キャスト5人プレイ。キャンペーン形式であるためキャストを固定したいものの「PC1=主役を明確に決める」「PC3人でもアクトが成立する」というハンドアウト・システムの都合上、どうしてもキャスト単位でシナリオ上の扱いに絶望的なまでの差が発生する。当然のようにハンドアウト希望枠がかぶりまくったため、シナリオを若干改造した。
 具体的には、追加キーハンドアウトの導入。シナリオ1においてはクグツとニューロ、シナリオ2においてはイヌとトーキー(およびシナリオギミックの関係でニューロ)に設定した。
 また、ヘンリーを除くシナリオ1&2のゲスト全般を「改心する余地のあるキャラクター」に設定。ある程度の生存を前提にシナリオ3にも若干手を加えている。

 ■改造ポイント
 
◆シナリオ1:イントゥ・ザ・ナイト

 基本的な改造ポイントは「敵ゲストとキャストとの間に関係性を持たせる」こと。これはシナリオ1・2ほぼすべてにおいて実施した。
 シナリオ1の基本的な流れに変化はないが、クライマックス突入前にヘンリーが「移籍に伴いヘイロンがヘンリーに支払った多額の契約金」を交換条件としてキャストに提示する場面を追加(本人は研究が目的なので金に興味はない、とした)。この金はAクグツのキーハンドアウト達成に利用させるためのもの。
 また、ヘンリーの立ち位置(研究の最終目的)が変化するためリサーチ4のイベントは描写を変更した。


●ヘンリー・イシカワ
 Dニューロのキャストが年齢設定高めだったため、その「古い友人」としての過去を設定。研究の最終目的を「病弱な娘を救うため、肉体の虚弱性を遺伝子レベルで改善する薬の開発」とした。(「改善」の結果、常人が摂取すれば常人以上の肉体を得る。研究費用のため利益観点からコンバッドドラッグとしての開発を優先させた)
 キーハンドアウトは以下の通り。なお、回収した研究データが記憶を取り戻すための最後の一手になるよう3シナリオ目にも手を加えた(後述)。ミッションシーンはDニューロがと最後に酒を飲み交わした際のもの。「娘は間に合わなかったが、同じ境遇の子供を救うための研究を続けたい」といった旨の事を語る。

コネ:ヘンリー・イシカワ
公開条件:ヘンリー・イシカワがシーンに登場する
情報:なし
概要:ヘンリーは君の古い友人だ。早くに妻を亡くし、病弱だった一人娘を失った彼が研究に没頭するようになってからは疎遠になっていたが、まさかこんな依頼が舞い込んで来るとは。仕事の話を聞いた以上、今更断るわけにもいくまい。彼の友人として、今の君に何かできることがあるのだろうか。
PS:ヘンリーの研究データを確保する
アクトルール:君はヘンリーの個人用アドレスを知っており、連絡を取ることができる。これにより発生するシーンでは戦闘を行えない。



●"黒虎"チャオ
 単に倒されるだけのゲストのため情報量が少なく、アレンジが容易だったため性別変更・本編の敵役兼サブヒロインとした。弟のフェイと共に夏から出稼ぎに来たが、千早での試験採用時の任務で重傷を負い戦線離脱。その際に偶然ヘイロンに拾われ・・・という感じ。
 Aクグツのキャストが青年だったため、以下のキーハンドアウトを設定した。このPSを達成させるために前述の「ヘンリーの契約金」が利用できる。ミッションシーンはAクグツの千早での初任務の際にチャオと語り合う場面。
 ちなみにキーハンドアウトのPSに「チャオの希望」とあるが、要は金である。

コネ:チャオ
公開条件:チャオがシーンに登場する
情報:なし
概要:チャオは君と同時期に千早に採用され、共に受けた最初の任務で爆発に巻き込まれ行方不明になった少女だ。中国・夏王朝の貧民街に生まれ、家族の希望で弟と共にN◎VAにわたってきたという彼女が、これで家族へ仕送りができる、と息巻いていたのが印象に残っている。・・・まあ、よくある話だ。
PS:チャオの希望を叶える
アクトルール(公開条件成立後):チャオと会うシーンを作ることができる。これにより発生するシーンでは戦闘を行えない。



●"白虎"フェイ
 "チャオの弟、片言で話す性根は優しい少年"という感じで再設定(片言なのは元からであるが)。ヘイロンにはチャオのつてで入社したものとした。投薬の影響で外見は実年齢より大人びている。
 トーキーのオープニングが大分寂しかったため、順番をイヌの後にし、"隅田川の現場についたが既に死体は無かった/一応現場をうろついていたらフェイから警告される"というシーンを追加した。
 トーキーに対し、命を危険に晒すような真似をせずとも生きていけるだろうに、何故首を突っ込むのか、という疑問を投げかける。





◆シナリオ2:アフター・デイブレイク

 ある意味一番手を加えたシナリオ。メタルゴア、鰐淵にキャストとのキーハンドアウト設定を導入。エイプリル自身も若干の設定追加を行った。

●エイプリル・エドワーズ
 「かつて家族と共に日系企業同士の抗争に巻き込まれ両親を失い、実の姉と生き別れに。日系企業を強く憎み浄化派として活動」という設定を付与。実の姉を調べると真中沙夜の母親に行きつくように設定した(要するに沙夜の叔母に該当)。ついでに年齢を少し下げた。ぶっちゃけシナリオ攻略には一切影響せず、どう生かすかをキャストに丸投げするという乱暴な設定追加。自分でもどうかなー、と思ったが結果うまいこと拾ってもらえたので結果論的に無問題。
 ※最終的にはキャスト側は彼女を逮捕せず、沙夜のため改心に期待して見逃す選択を取った。
 なおキャスト側からのアクセスを促す目的でリサーチ1での描写を若干ソフトにし、@クグツに対し民衆が「こいつ千早の人間だぞやっちまえ!」的な行動を取るのを制止、取材目的で連絡先を渡す描写を追加。


●天國
 リサーチ情報の関係で天國ラボに行く必要がない(最効率で情報を集めると一瞬でクライマックスに行ける)。後述のCイヌのキーハンドアウトの関係もあり、天國の状況を「面倒事に関わらないよう身を隠している」とし、Bニューロに以下のキーハンドアウトを追加した。

コネ:天國
公開条件:誰かが<天國の闇ラボ>についてリサーチした
情報:なし
概要:君は天國(TNX-P74)の友人だ。君は彼からの依頼を受け、その所在を隠す手伝いをしている。事情はよくわからないが、どうやら面倒事から逃げまわっているらしい。
PS:「天國が身を隠す事情」を解決する
アクトルール:君は天國の《タイムリー》(《プリーズ!》相当の効果)により、《電脳神》を使って彼の所在を隠している。君がキーハンドアウトの公開を宣言した場合、この神業の効果は解除される。ミッションシーンの後、キーハンドアウトを公開すること。

 上記に関連して、以下のリサーチ項目を変更し整合性を取った。
・「▼メタルゴア」の「15:」の情報を「全身義体を使用している。天國ラボの特注品だ」に変更。「16:その天國はどうやら身を隠しているらしい(《電脳神が使用されている》)」を追加。
・「▼ハリー・マクベイン」の「15:」の情報を削除
・「▼目覚めの空間」の「16:」の情報を削除


●メタルゴア(ハリー・マクベイン)
 Cイヌのキャストが元軍人設定だったため、以下キーハンドアウトを追加。ミッションシーンは過去、ハリーが負傷を契機に本格的なPTSD治療のため戦線を離れるときの会話。

コネ:ハリー・マクベイン
公開条件:他のキャストからハリー・マクベインの情報を入手する
情報:なし
概要:ハリー・マクベインは北米の戦場で出合った戦友だ。君と共に数々の激戦をくぐり抜けたのも、今となってはいい思い出だ。過去の作戦が原因で受けたPTSD治療のため、軍を退役したと聞いていたが、どうしているだろうか。
PS:ハリーを解放する
アクトルール:あなたはハリーを[戦闘不能]の状態にすることで、[あるアウトフィット]の効果を無効にすることができる。



●鰐淵徹也
 Dトーキー向けキーハンドアウトに以下を配布。立ち位置も単なる敵役から「先代の組長だった父の死を契機に組に戻り、組を立て直すため奮闘している」という立ち位置に変更(組の資金繰りが悪化、カウンセリングを通してエイプリルと出会い、彼女の入れ知恵で電子ドラッグ売買を始めた・・・という流れ)。鰐淵組自体も「昔気質のレッガーが多く、先代もカタブツで知られていた」等設定変更を行った。
 ミッションシーンは彼がトーキー廃業を宣言し、姿を消すときのもの。

コネ:鰐淵徹也
公開条件:誰かが<鰐淵徹也>についてリサーチした
情報:なし
概要:"アリゲーター"鰐淵は荒っぽい取材を行う事で知られたトーキーであり、君の良きライバルでもあった男だ。レッガー組織"鰐淵組"組長の息子であり、親に反目して家を出ていたという彼であったが、ある日君にトーキー廃業を告げ姿を消した。
PS:鰐淵組を止める
アクトルール(公開条件成立後):鰐淵と会うシーンを作ることができる。これにより発生するシーンでは戦闘を行えない。




◆シナリオ3:ナイト・ムーヴズ

 キーハンドアウト等もなく、変更点は一番少ない。
 変更はクライマックス周辺部分に集中。大半の人間がナイトムーヴズに取り込まれキャストを追い込み、報道機関も抑えられてしまったため《暴露》がままならない状況とした。
 クライマックス戦闘では放送局の通信制御室に入り込み《暴露》を行うためのFS判定をクライマックス1、《暴露》した後駆け付けたゲストとの決着をつけるシーンをクライマックス2とした。これに合わせてリサーチ5の襲撃イベントを削除した。


●真中朝雄
 シナリオ2では生存、逮捕・拘留されて終了したため、敵ゲスト陣が釈放させて身元を引き受け、「メフィスト」と名を変え再登場。ナイトムーヴズの協力者(ゲスト)とした(リサーチ項目にも情報を追加)。戦闘能力は低いがサポート系支援を行う(タタラ=ニューロ=レッガー)。キャストが5人のため敵ゲスト側の補強も兼ねている。


●ヘンリーの研究データ
 Dニューロのハンドアウトを以下に変更。

 ヘンリー・イシカワが残したコンバットドラッグ”灼鬼”の研究データ。日々の仕事の合間にそれを見ていた君は、ふとデータ領域の中に消去しそこねたと思しきデータの存在を確認した。
 と、そんな君のもとに連絡がある。広報処理課3班班長・小上紫乃のからだ。外で直接会いたい、というのは彼女にしては本当に珍しい。何かあったのだろうか。


 加えて、シナリオ1にてDニューロが入手した研究データから、灼鬼により引き起こされた記憶障害に関する情報をサルベージするための情報項目を追加した。これに合わせて、リサーチ項目「灼鬼改 16:」の後半「何らかの方法で〜」以降を削除した。

ヘンリーの研究データを復旧させる:目標値21/電脳
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(録画情報/再生/ヘンリー・イシカワの独白)
 灼鬼は元来、遺伝子治療を画期的な速度で行うためのものだ。その副作用、記憶障害はニューロン同士の結合部、シナプスの均一化によって発生する。
 問題は今の灼鬼ではこの均一化作用が中途半端な状態で行われることだ。歪に残った結合強度が記憶の修復・・・シナプス可塑性に基づくニューロンネットワークの復旧を阻害する。
 一方で完全に近い均一化・・・記憶の漂白が可能であるならば、平静状態時にニューロン全体に強い電気シナプス、言うなれば感情的な衝撃を与えることで長期増強されていたシナプスが優先して復旧、つまり記憶の修復が可能となるだろう。

・・・やめだ、やめ。録画停止。
私としたことが、何を弱気な。このヘンリー・イシカワに失敗などありえない。現状の命題に研究中止が言い渡された以上、今は優先してコンバット・ドラッグとして完成させる。
 その後は・・・ん?まだ動いたままだったか
(録画情報/停止)
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●シナリオ1、2の面々
 生存している場合、シナリオ1からチャオ・フェイ、シナリオ2からハリー・鰐淵が参加(場合によりエイプリルも参加する)。
 リサーチ6の次のシーンにて「レイをはじめ機動捜査課(ナイトムーヴズ化)に拘束されそうになったキャスト陣を救出」するシーンを追加。その後アジトにて現状の確認(キャストへの情報提示/報道機関もナイトムーヴズに抑えられておりこのままでは《暴露》できない)を行い、報道機関へ乗り込むシーンをクライマックスとした。基本は彼らがキャストに変装しての陽動を行い、その間にキャスト陣が報道機関に侵入する方針。


●クライマックス周辺
 リサーチ5の襲撃イベントを削除(あわせてリサーチ情報「混乱した沙夜について」も削除)。
 クライマックス1は報道施設にキャストが乗り込んだ際に発生するFS判定。リサーチ5で発生する沙夜+トループとの戦闘も並行して行う(2カット目にトループ2体追加)。1カット目終了時、外で陽動を行っているゲストからミサイル満載の戦闘ヘリがそちらに向かっている旨を警告する。(2カット目終了時、報道施設が破壊されてしまう。事実上ゲームオーバー。)

敗北条件:2カット経過  支援判定:電脳、知覚、社会:テクノロジー  進行値8で終了
進行値 技能 目標  進行修正 描写
初期  電脳 12  サイクル 端末がロックされており、アクセスできない。セキュリティ解除が必要だ。
3   知覚  8  1    銃撃戦の影響でトロンが1つ壊れている。予備のトロンを見繕わなければ。
5   電脳 15  サイクル 外部からのハッキング攻撃だ。これを防ぎきれば放送の準備も整うはずだ。

 FS判定終了後、残っていれば沙夜は《不可知》で一旦引き上げる(その前に戦闘不能になるようなら攻撃に使う)。
 《暴露》の演出後、クライマックス2へ。既に《暴露》が使われた後のためトループは登場しない。



 ■あとがき
 
 TNXのSSSシリーズは旧来のそれと比較すると完成度が高く、必要な注意事項もあらかた記載されています。リサーチ情報のミッシングリンクやシナリオ上の矛盾もなく、シナリオ崩壊の危険性といったものもPSやSPSの導入によりほぼ回避可能といえるでしょう。
 逆にいえばある程度完成されているため、シナリオ本筋となるメイン部分は下手に手を出すとおかしなことになるため弄りにくいとも言えます。しかし戦闘用として用意された敵ゲストの多くは、身も蓋もない言い方になるが単なる数合わせの駒として用意されているため、設定追加や差し替えを盛り込むことはいくらでもできるはず。そういった形でのアレンジを加えるのもRLの一つの楽しみ方ではないでしょうか。
 
 ・・・まあ、これはちょっとやりすぎた感もありますが。
 なおキャスト5人・かつプレイヤーの多くがゲームをやり慣れていたため、敵ゲストのデータはキャストとほぼ同等の防具を追加・達成値とダメージ双方を+3〜+5程度伸ばし、可能であればダメージ軽減技能を取得しましたが、シナリオ2・3においてはキャスト側にまだまだ余裕があるように感じました(シナリオ1では結構な苦戦具合だったのですが)。


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