リサーチ
■クライマックスの条件
決着をつけるため、ジャドゥの居城に踏み込むとクライマックスへ移行する。
■諸注意
『カブト』とクロトクリン
イベント1「彼女の事情」(引き受けた場合)後、カブトは幾つかの疑問をクロトクリンに投げか
ける事が考えられる。受け答えのパターンを以下に記述したので、参考にしてほしい。
協力者の企業の人って? → 「具体的に誰かは分かりません。まずはそれを調べましょう」
そいつを見つけてどうする? → 「説得します。騙されているか操られているかのどちらかですわ」
ジャドゥはどうするんだ? → 「企業の協力を失えば、今回は引き下がるはずです」
『バサラ』とクロトクリン
クロトクリンは『バサラ』については面識が無いが、御門忍を知っている。『バサラ』は彼女の名を
出せば完全に信用される。また、名を出さなくともクロトクリンはいちいち人を疑ったりはしない。
『マヤカシ』の仕事が終わった
イベント4「仮初めの器」の結果次第では『マヤカシ』は最初の目的を達成してしまう。クロトク
リンから事情を説明した上で、『マヤカシ』にも手伝ってくれるように「お願い」すること。
『アヤカシ』がアルドラに報告した
アルドラから、クロトクリンに協力し、ジャドゥの邪魔をする方向で動いてもらうように再度依頼
する。クロトクリンの父親、"妖精王"オベロンはおそらくアルドラとは旧知の仲である(アルドラの
プロファイルのコネ[CG、P105]を参照)。
ジャドゥの居城に踏み込む
いきなり居城へ踏み込んだ場合、クライマックス戦闘で多数の敵を相手に戦うことになる。事前に
〈コネ:マラク〉やマラクと会話するとこの問題は解決する(イベント6「魔王は友達」を参照)。
また、〈コネ:アルドラ〉などの有力なアヤカシのコネ(目標値は21)、《不可触》《完全偽装》
《M&A》などの神業を使っても良い。
城島に会う
『クグツ』以外が直接会うのは難しい。〈社会:企業〉などでアポイントを取るか、〈隠密〉で忍び
込む必要がある。どちらも目標値は15。城島は自分からボロを出すことは無いが、キャストがジャドゥ
との関係などを指摘した場合は素直に認める(「それがどうかしましたか?」と言う感じ)。キャスト
側が、方針も無く問答するのは時間の無駄になるので、城島から仕事を理由に話を切らせること。
城島を説得する
城島は、「人とアヤカシが共存しているなら、人に紛れたアヤカシはやがて世界に広がっていく」
「人とアヤカシの戦いもそれに伴い拡散して行く」と考えている。自身と同様の不幸を憎む彼にとって、
この街の存在は悪なのだ。
彼の考えは自暴自棄から来る矛盾を孕んだものではあるが、説得は至難(リサーチ中は神業が必要。
《真実》で己の過ちを認めさせる、《プリーズ!》や《神の御言葉》で強制説得するなど、色々ある)。
城島に戦闘力は無く、エキストラとして扱う。殺した場合、イベント7−1「道化は笑う」が発生する。
無理に肉体的な束縛を与えようとしても、やはり同じイベントが発生する。
城島を失脚させる
《M&A》を《完全偽装》などで打ち消せば、城島は研究を続けてはいけなくなる。城島は本社に強制
送還され、今後は不自由な研究生活を強いられることになるだろう。イベント7−1「道化は笑う」へ
進むこと。
■イベント
□ イベント1「彼女の事情」 『カブト』の最初のシーン
□ イベント2「友との再会」 『クグツ』の最初のシーン
□ イベント3−1「妖精お助け」 『カブト』がクロトクリンに同行していない、他
□ イベント3−2「助っ人推参」 『カブト』がクロトクリンに同行している、他
□ イベント4「仮初めの器」 『マヤカシ』とクロトクリンが会った
□ イベント5「灰狼の強襲」 イベント4「仮初めの器」の後、クロトクリンがいる任意のシーン
□ イベント6「魔王は友達」 ジャドゥ討伐に行く前、マラクと会話をする
□ イベント7−1「道化は笑う」 城島を殺した、失脚させた
□ イベント7−2「終幕の開幕」 城島を説得した
●イベント1・カブト:彼女の事情
条件:『カブト』の最初のシーン
登場:〈社会:ST☆R、ストリート〉 10
◆解説
『カブト』がクロトクリンから事情の説明を聞く。
◆描写
(場所はオープニングの続きで路地裏のままでも、喫茶店でも良い。キャストに一任する)
「私の名はクロトクリン。"妖精王"たる父の不在に代わり、『妖精の一族』代表を努めております」
「実は、アヤカシ達の間に不和を蔓延させ、ST☆Rに争いをもたらそうとしている者がいるのです」
「その男の名はジャドゥ。アンシーリー・コート(「妖精の一族」の過激派)の有力者です」
「さらにジャドゥはある企業の人間と手を結び、混乱を助長させるための物を作らせています」
「このままではST☆Rの街に悲劇が訪れてしまうことになるでしょう」
「・・・と言うわけで、ST☆Rは狙われているのです」
「しかし、私はまだまだ半人前の身。こうして誰かの体をお借りしなければ、こちら側に干渉する
ことすらままなりません」
「お力をお貸しください、『カブト』様」
(体を借りている件に突っ込まれた)
「・・・体の持ち主の方には、善意の協力を頂いております」(目をそむけつつ)
◆結末1(引き受けた場合)
「ありがとうございます!ST☆Rの人々の平和の為に頑張りましょう!」
「ジャドゥには多くの手下がいるはずですわ」
「まずは、ジャドゥに協力している企業の方に手を引いていただきましょう」
クロトクリンは説明以上の情報を知らないため、まずはリサーチすることになる。以降、クロトクリン
は『カブト』とパーティを組む。
シーン終了。
◆結末2(断った場合)
「・・・わかりました」
「こちらこそ、ご無理を言って申し訳ございません」
「先ほどは助けていただき、本当に感謝しております。それでは、ごきげんよう」
クロトクリンはトボトボと立ち去る。シーン終了。
●イベント2・クグツ:友との再会
条件:『クグツ』の最初のシーン
登場:〈社会:ST☆R、企業〉 10
◆解説
ST☆R支社にやって来た『クグツ』が城島と再会する。
◆描写
『クグツ』は後方処理課であることを隠し、営業の関係でST☆Rに来たことになっている。支社の
ロビーで諸々の受付処理を待っていると、通りかかった城島が話しかけてくる。
城島「『クグツ』じゃないか。随分と久しぶりだな」
城島「今の仕事?充実しているよ。多分、こっちが天職だったんじゃないかな」
(家族の事を聞かれた)
城島「・・・死んだよ。3年も前の話だ」
城島「(しばらく無言の後)『クグツ』、この街をどう思う?」
城島「人とアヤカシが共にいる街など、互いにとって不幸でしかない。そう思わないか?」
城島「・・・間違っているんだ、この街は」
(通りかかった若い研究員が声をかける)
研究員「城島室長。ちょっといいですか?例の件でお話が」
城島「ああ、じゃあ先に行っていてくれ。すぐに行く」
城島「すまんな、あわただしくて。そっちの仕事が済んだら一杯やろう。時間をあけておくよ」
◆結末
城島は自分の連絡先を教えて立ち去る。シーン終了。
●イベント3−1・妖精お助け
条件:『カブト』がクロトクリンに同行していない
上記のとき、『バサラ』か『カブト』がクロトクリンを探しに行った(後を追った)
イベント4「仮初めの器」が終わっていない
登場:〈社会:ST☆R、ストリート〉 10(タイミングは任意、描写1で登場しても良い)
◆解説
キャストがクロトクリンの危機を救う。
◆描写1
街中にて、道行く人に声を掛けるクロトクリン。
クロトクリン「ST☆Rは狙われています」
中年の男「いや、そういうの間に合ってるから」
クロトクリン「邪悪な存在が争いをもたらそうとしているのです」
若い男「・・・」(無言で足早に去る)
◆描写2
公園にて、ベンチに腰掛けるクロトクリン。
「ふぅ・・・。ご理解いただくという事は難しいものなのですね、お父様」
「・・・こんな所にいたか。さっきの男は一緒ではないようだな」
黒服の男達が目の前に姿を現し、ベンチを扇状に取り囲む。キャストの登場を促すこと。誰も登場
しない場合、画面が暗転しシーン終了。クロトクリンは[死亡]する。また、肉体が失われた事で依子
も[死亡]する。
この場にいるのは人狼トループ(GX-DのP144「ワーウルフ」)15人。カット進行にせず、手札か
ら判定させても良い。そのほうが早く片付くだろう。
●イベント3−2・助っ人推参
条件:『カブト』がクロトクリンに同行している時、『バサラ』が『カブト』と会った
イベント4「仮初めの器」が終わっていない
登場:〈社会:ST☆R、ストリート〉 10
◆解説
『バサラ』が『カブト』と合流後、クロトクリンを狙って来た人狼と闘う。
◆描写
ある程度会話をさせた後、『カブト』のオープニングにいた黒服たちが再び襲撃してくる。
「先ほどは油断したが、今度は逃さん!」
人狼トループ(GX-DのP144「ワーウルフ」)15人×2が相手になる。カット進行へ。
◆結末
敵を蹴散らしたらシーン終了。なお、このシーンは『バサラ』のモチベーションを上げる事が目的
である。必要無い場合、時間が押している場合はこのイベントは飛ばすこと。
●イベント4・マヤカシ:仮初めの器
条件:『マヤカシ』とクロトクリンが会った
登場:〈社会:ST☆R、任意〉 10
◆解説
依子(生霊)が「自分の体を返して」とクロトクリンに迫るシーン。
◆描写
依子は自分の体を見つけると、霊体のままおもむろにクロトクリンに掴みかかった。
依子(生霊)「あー!私の体ぁー!」
依子(生霊)「かーえーせー」(首を掴んでゆすると霊体が体からはみ出る)
クロトクリン「(目を回して)あぅー」
(キャストが依子を落ち着かせた後)
クロトクリン「そうですね、お借りする前にご許可を頂くべきでした。では改めまして・・・」
クロトクリン「私の名はクロトクリン。ST☆Rは狙われています。体を貸してください」
依子(生霊)「イヤ(即答)」
事情はどうあれ、依子は体を貸す事に同意しない。説得するなら目標値18の〈交渉〉か、目標値15の
〈コネ:栗原依子〉に成功する必要がある。PLがうまい説得の方法を考えてきたら、目標値は下げて
も良い。
また、依代になりそうな人形等を探すと言う手段もある。目標値は〈売買〉か〈製作:マジックア
イテム〉で15。
(何故はじめから人形を使ってないのか?と聞いた)
クロトクリン「売り物を盗んだら犯罪ですわ」
依子を説得するか、クロトクリンが代わりの体を手に入れたら結末へ。
◆結末1(依子を説得)
依子(生霊)「(『カブト』に対して)傷モノにしたら、責任とってもらうからね」
依子(生霊)は部屋へ戻って大人しく待つことになり、シーン終了。イベント5「灰狼の強襲」へ。
◆結末2(代わりの体を入手)
依子「わーい、元の体だー」「ありがと、『マヤカシ』さん」
クロトクリン(人形)「・・・威厳がありませんわ(がっかり)」
依子「そうだ、友達と会う約束をしてたんだっけ。早く行かなきゃ」
依子を見送ったらシーン終了。イベント5「灰狼の強襲」へ。
●イベント5・灰狼の強襲
条件:イベント4「仮初めの器」の後、クロトクリンがいる任意のシーン
登場:〈社会:ST☆R、任意〉 10
◆解説
"灰狼"ファングが手下と共に襲撃してくる。
◆描写1
ファングが突然《不可知》からの攻撃を行う。狙いはクロトクリンだ。依代に移った場合「知覚」
を組み合わせ、クロトクリンと確認した上で攻撃する。神業で防がなければ(多分)[死亡]する。
ファングはこの次点では人間の姿である(逆立った髪、黒コート、逆手に構えたレーザーソード)。
(防いだ相手に)
「今のを止めるたぁ、なかなかやるじゃねえか」
◆描写2−1(『アヤカシ』が居る場合)
「手前、『アヤカシ』!まさかこんな所で会えるとはな」
「お前を殺して、俺の実力を証明してやるッ!」
(ファングが指を鳴らすと、多数の人狼が一斉に現れ周囲を取り囲む)
「『アヤカシ』には手を出すなよ。俺の獲物だ!」
ファングは『アヤカシ』を優先的に狙い、トループは出来る限りクロトクリンを狙う。
◆描写2−2(『アヤカシ』が居ない場合)
(《不可知》を止めたキャストに対して)
「人間にしちゃぁ上出来だ。少しは楽しめそうだな」
(ファングが指を鳴らすと、多数の人狼が一斉に現れ周囲を取り囲む)
「人間相手は飽き飽きしてんだ。退屈させんなよ?」
ファングは《不可知》を止めたキャストを優先的に狙い、トループは出来る限りクロトクリンを狙う。
◆結末
カット進行へ。敵はファング、人狼トループ(GX-DのP144「ワーウルフ」)20人×1(キャストが5人
の場合は20人×2)だ。ファングは倒されたら《霧散》で奈落のある方角へ逃亡、退場する。
「チ、遊びすぎたか。ひとまず勝負はお預けだ」
●イベント6・バサラ:魔王は友達
条件:ジャドゥ討伐に行く前、マラクと会話をする
登場:〈社会:ST☆R、ストリート、アストラル〉 10
◆解説
マラクとジャドゥ討伐の相談をするシーン。
◆描写
(今の状況を説明した)
「なるほど、おおよその事情はわかったよ。相変わらず面白いことに首を突っ込んでいるようだね」
「"レッドキャップ"ジャドゥ・・・彼には我々もいい加減うんざりしていた所でね」
「ジャドゥ討伐を認めよう。むしろ私からもお願いしたいところだ」
「周りの連中の邪魔が入らないよう手をまわしておくよ。存分にやるといい」
◆結末
マラクはジャドゥ討伐を快諾、ジャドゥに協力するアヤカシを押さえ込む約束をする。キャスト
がいぶかしがっているようなら、改めて「悪魔は嘘をつかない(※)」ことを説明すること。
キャストがジャドゥ討伐に行くなら、クライマックスフェイズへ移行する。
(※悪魔は嘘をつかない:ルール的には、嘘をついた場合[死亡]すると言う欠点を持っている。)
●イベント7−1・クグツ:道化は笑う
条件:城島を殺した、失脚させた
登場:〈社会:ST☆R、企業〉 10
◆解説
城島は舞台から退場するが、それで全てが終わるわけではない。
◆描写1(城島を殺した)
城島は死を前にして苦しげに笑う。
「ククッ・・・今更私を殺したところで、この流れは止まらんよ」
「デモンズヘヴンは、既に製法と共にジャドゥの元に届けた」
「・・・こんな街さえなければ・・・こんな所へこなければ、私は・・・」
苦悶の中、不思議と安堵の表情を浮かべて城島は息絶えた。
◆描写2(城島を失脚させた)
ST☆R支社内は『クグツ』に掌握された。支社内にはもう城島の居場所はない。N◎VAへの強制異動
を前に、城島は『クグツ』に苦笑と共に語りかける。
「今更私一人退場したところで、この流れは止まらんよ」
「デモンズヘヴンは、既に製法と共にジャドゥの元に届けた」
「私は決して諦めないよ、『クグツ』・・・この街があるかぎり、私が生きている限り」
城島はN◎VAの本社へ異動になる。今後は不自由な研究生活を強いられることになるだろう。
◆結末
クロトクリンがいるなら、ジャドゥを討たなければ大惨事になる事をキャストに伝え、討伐を提案
する。シーン終了。
●イベント7−2・クグツ:舞踏祭開演
条件:城島を説得した
登場:〈社会:ST☆R、企業〉 10
◆解説
城島は説得に応じた。
◆描写
城島は力無く、床に膝を落とし、自嘲気味に笑う。
「私は、何をやっていたのだろう」
「妻も息子も・・・こんなこと、望んではいないだろうにな」
「デモンズヘヴンは、既に製法と共にジャドゥに渡してしまったよ」
(キャストがデモンズヘヴンの情報を得ていなければ◆城島の開発品(その他)、ドラッグに
ついて説明をすること)
「止めるなら、急いだ方が良い。時間がたてば量産品が出回ることになる」
(説得したキャストに《ファイト!》を使用。増やす神業はキャストに決めさせること。)
◆結末
「少し・・・一人にさせてくれ」力無く言うと、城島は近くの椅子に腰を下ろし、背を向けた。
クロトクリンがいるなら、急ぎジャドゥを討たなければ大惨事になる事を強調し、討伐を提案する。
シーン終了。
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