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TRPGシステム アリアンロッド

アリアンロッド 上級ルールレビュー



2005.09.11

 いよいよ上級ルールの登場!新規に追加された4つのサブクラス、既存のクラスや種族スキルにも
続々追加スキルが加えられ、そして憧れの上級クラスへクラスチェンジするルールが追加!

このレビューでは、上級ルールに記載されているデータをかいつまんでご説明いたします。



■ 記事概要
▼ 各種データ
 追加サブクラス4(各17スキル)、上級クラス8(各17スキル)、既存のクラスへの追加スキル 各2〜8種、種族スキルへの追加スキル各2種、ギルドスキルへの追加スキル17種、 エネミー専用スキル17種、追加武器89種、追加防具59種、追加盾10種、追加一般アイテム18種、 追加マジックアイテム17種。アイテムの対応幅1〜30レベル(1つだけ40)。 追加エネミー43種(6〜40レベル)、追加ネームドモンスター(世界に一匹のユニークエネミー) 13種(30〜100レベル)。ランダムダンジョン用ミッションデータ39種、追加シナリオ2種。 スキル系の詳細は後述します。

▼ 選択ルール
 トーキョーN◎VAやアルシャード等に代表される、いわゆる「FEARゲ」の導入形式に近い 個別導入、シーンプレイヤー方式のルール「フェイズプロセッション形式」、 10レベル以降上級クラスに転職可能になる「上級クラスルール」、 馬などに騎乗しての戦闘が可能になる「騎乗戦闘ルール」、 スクウェア・マップを使用したタクティカルな戦闘を行える「スクウェア戦闘ルール」、 さらにランダムでダンジョンを作成して手軽に遊べる「ランダムダンジョン作成ルール」 等が追加。全て選択制ですので、導入するかどうかはGM判断です。

▼ プレイヤーガイド
 本ゲームにおけるプレイヤーの定義、心構え、遊び方やマナーについて。特に「TRPG中の 危険行動」はTRPG初心者から熟達したプレイヤーの方々まで、皆様に読んでおいて頂きたい 逸品です。

▼ ゲームマスターガイド
 ゲームマスターの定義からTRPGにおける基本的な考え方、 プレイヤーとの付き合い方、プレイの実践やシナリオ作成方法、運用のノウハウなどの記事が 21ページ分あります。プレイヤーガイド同様、GMされる方なら一度は目を通しておいても良いのでは ないでしょうか。

▼ ワールドセクション
 冒険の舞台、エリンディルの世界構造、神々について、魔法について、国家や都市についての 世界観設定が追加。基本ルールだけではイマイチ説明不足だった部分が補填されました。 また、ランダムダンジョン形式のルールを基本として行うキャンペーン用の舞台、 「空中庭園」が紹介。さらに其処に住む人々を含め18人の新NPC情報が追加されました。



■ 新規追加サブクラス

ガンスリンガー
▼ 攻撃型パッシヴスキルの鬼!サムライをも超える戦闘クラス
二丁拳銃で接近戦もこなせる射撃攻撃サブクラス、ガンスリンガー。以下の4種類7レベル分のパッシヴスキルがとにかく目立って強い クラスです。(具体的な数字はこちら

  ・武器を獲得する自動取得スキル《キャリバー》(射程10m、[至近]にも攻撃可能な[射撃攻撃]武器)
  ・上記の武器を強化する《ガンパード》(最大5レベル)
  ・[至近]に対する攻撃時、相手の回避を1D減らす《ブレットレイブ》
  ・マスタリー系に相当する、命中に+1Dする《キャリバーマスタリー》

 自動取得スキルが武器獲得に使われてしまう分を強くしたのでしょうか?しかし、それを補って余りある強さを持っています。  シナリオの総戦闘回数やラウンド数にも若干影響されますが、上級クラスを除けば15レベル位迄は最も強力な戦闘クラスの1つです。 5レベルで有る程度スキルを極め、他職でスキルを固めるのが最強への一歩でしょうか。ともあれ、現状では射撃戦闘をメインにす る弓レンジャーや銃アルケミストがちょっと可哀相です。
 その他、攻撃命中時に物理防御点を減少させる《ワンコインショット》やダメージをあげつつ範囲攻撃を行う《ファニング》、 《インヴィジブルアタック》相当(しかも武器を準備する)の《クイックドロウ》に加えて呪文を込めた弾丸を所持する《スペルブレット》 等もあり、上記パッシヴスキル以外にも便利なスキルや面白いスキルを数多く持っています。


セージ
▼ 魔術系 誰もが一度は セージくん。
 己の知識を武器とする、メイジやアコライトのサブクラスに向いたサポート系サブクラス。自動取得スキル《エンサイクロペディア》は 「手番を使わないエネミー識別」を行うことが可能で、戦術・戦略型パーティにとっては欠かせない存在になりそうです。突出して 目立つのが「ダイスで判定して威力を求める[魔術]の効果値」を増加させるパッシヴスキル《エフィシエント》。アコライトやメイジ、 サモナーのスキルを中心に戦うキャラクターはいずれこのスキルが欲しくなると思います。
 アイテムやエネミー識別、知力判定の達成値上昇の他、セットアッププロセスに行動値やダメージを上昇させたり、割り込みで ダメージや達成値を上下させるスキルなど優秀な補助スキルを数多く持っており、バードに勝るとも劣らぬ強力なサポート系 クラスと言えるでしょう。中でも対象の達成値を下げる《リバーサル》はMPが続く限り単独一回攻撃のボスキャラクターをかなりな確率で無力化 させる事が可能ですし、セットアッププロセスに使えるダメージ上昇スキル《ウィークポイント》は知力版《スマッシュ》を範囲(選択) に行き届かせるという強力なスキルです。


ニンジャ
 ▼ ダイス目補完スキルでクリティカルを狙え!そして自爆。
 武器と魔法によるマルチ戦闘が可能なサブクラス、ニンジャ。絶対命中の[HPダメージ]を範囲(選択)に与える特殊な自動取得スキル 《バーストブレイク》は他に類を見ないユニークなものです。
 目立つスキルは命中・ダメージ判定のダイス目を任意の数(SLに影響される)振りなおすスキル、《シークレットアーツ》《ゾアスポット》。 攻撃力を安定化させることが出来ます。とはいえ[SL]回と言う使用制限に加え若干コストがかかるため、これにスキルレベルを注ぎ込んで良い ものかは考えどころです。 また、クリティカル時のダメージを上昇させるパッシヴスキル《マーダースキル》もあるため、クリティカル狙いで戦えれば非常に強力と言えます。
 肝心の魔法攻撃はと言うと、メイジと同程度のものが地水火風あるだけで、基本的に目立った印象はありません。 その中で突出しているのがマイナーであらゆる魔法攻撃のダメージを増加する《エンハンススペル》と、自分の残りHPをダメージとして範囲(選択) に攻撃する「自爆技」《ブロウアップ》。後者を使った後は戦闘不能になりますが、かなり強力なスキルです。また、隠密状態からの命中と攻撃力を 上昇させるパッシヴスキル《コンシールアタック》もあります。
 他に、FFのニンジャよろしく「なげる(白兵武器を投擲する)」スキル《ウェポンシュート》があります。・・・が、それほど強くなく (白兵武器も失われてしまう)、これは趣味のスキルになりそうです。一応、アルケミストの《ウェポンクリエイト》と併せて使うという手は ありますが・・・


ダンサー
▼ もょもとは「あやしいおどり」を踊った!MPを10点吸収した!
 踊ることにより様々な効果を得て戦うサブクラス、ダンサー。補助系スキルもありますが、基本的には自己強化のスキルがメインです。 自動取得スキル《ダンシングヒーロー》は[CL]回まで任意の判定に+1Dすると言うもの。 CLにもよりますが、サモナーやモンク同様に誰もが持っていたいスキルといえます。
 代表的なスキルは敵からMPを吸収する《ミステリアスダンス》、シーン中に自分の攻撃力や命中、回避などを上昇させる各種スキルなどで、 長期戦に優れたスキル構成になっています。とはいえ後者はSL制なので、どれに重点を置くかは良く考えた方が良いでしょう。 飛行状態からのみ使用可能な攻撃技《エアリアルレイブ》もあります。
 他にも対象の次の攻撃の命中判定で1つでも6が出ればクリティカルにするサポート型スキル《ダンスマカブル》があります。 回数にSL制限がありますが、それなりの価値はあるでしょう。



■ 上級クラス

ウォーリア → ウォーロード/ナイト
▼ 攻撃力 VS 防御力
 片や防御を棄ててでも攻撃力を求めるクラス、ウォーロード。相対するは防御力を強化し、味方を守るクラス、ナイト。この両極化はなかなか面白いです。キャラクターの性向やPLの趣味などにあわせ、お好きな方を取ると良いでしょう。
 ・・・とか言っておきつつも、ウォーロードには対武器攻撃専用の防御技がありますし、ナイトには騎乗時のみ効果を表す超強力な攻撃スキルが潜んでいますが。

ウォーロード
 とにかく火力中心のスキルが豊富です。マイナーアクションを2回行う《ファストセット》がキー になり、組み合わせての攻撃の幅は無限大。 バッシュを強化する《ハイボルテージ》、バーサークを強化する《オーヴァドライブ》などの既存スキルを強化するスキルのほか、 命(HP)を削ってダメージをあげる《ブラッドヒート》、片手武器で二刀流を行える《ツインウェポン》(シーフの《アンビデ クスタリティ》の武器限定無し版)等、強力な攻撃スキルが揃っています。 基本的に白兵武器でガンガン殴りたい人向け。
 単純に殴るだけでなく、戦闘中、味方の攻撃力を上昇させるスキル《ウォークライ》や、 武器攻撃に対してのみ、命中判定で防御する二刀流用スキル《ディフェンスライン》を 持ちます。命中判定の達成値上昇が容易なウォーロードにとっては、扱いやすく強力な防御 スキルです。

ナイト
 味方全体を守るスキルや盾などを生かして防御力を伸ばすスキル、《アイアンクラッド》を 魔法ダメージに対しても使用できるようになるスキルに加え、強力な攻撃力強化のスキルもあります。 群を抜いているのは前述の騎乗時専用攻撃スキル《ラッシュ》。なんとダメージに[移動力]を追加します。 またマイナーアクションで使用する《ブレイクスラッシュ》は相手の[HPダメージ]軽減スキルの使用を封じ、 確実なダメージを与える事が出来ます。他にもパッシヴで攻撃力を上げたり、両手武器を片手でもてたり、 命中ペナルティを打ち消すスキルがあります。
 前線で防御力を生かし、パーティの壁をやりたい人・及び騎乗戦闘がしたい人向けです が、何よりも「騎士」という言葉に惹かれる方/騎士道を重んじるキャラクターにオススメしたいところです。


アコライト → プリースト/パラディン
▼ 超絶サポート VS 強力サポート&強戦士
 アコライトの各種スキルを大幅に強化する、多くのスキルを持つクラス、プリースト。 前線の戦士に勝るとも劣らぬ攻撃・防御スキルを持ち、サポートもしっかりこなすクラス・ パラディン。単純戦力で計算すればパーティへのサポートに特化するプリーストが強いと 思うかもしれませんが、パラディンの戦闘力は上級クラスの名に恥じぬ強さがあります。

プリースト
 元々強力な《プロテクション》や《ヒール》の効果をさらに増強するスキルのほか、シーン中 防御力を増やしたり、ダメージを増やしたり、MPを譲渡したりと非常に豊富なサポートス キルを持ちます。これでもか!と言うくらいサポートに特化しており、サポート好きな方 にはたまらないクラスと言えそうです。

パラディン
 ダメージに[精神基本値]を上乗せする《パニッシャー》や武器の重量を上乗せするマイナーアクションスキル 《ブルヒット》、同様に[精神]を上乗せする《シャインストライク》に加え 対スクウェア攻撃《ネメシス》等の強力な攻撃スキルを持ち、 一方で魔術(《ホーリーウェポン》や《ヒール》)の効果値を上げるマイナーアクションスキル《グレイスフォース》、 プロテクションを複数に対し使う《ワイドプロテクション》や MPを回復させる《ウィッシュ》等様々なスキルが揃っており、真の意味で歌って踊れるクラスです。 自己防御スキルも強力で、一点に特化するより攻撃もサポートもやりたい方にオススメです。


メイジ → ウィザード/ソーサラー
▼ 火力 VS 可能性
 とにかく魔法攻撃力の大きいウィザードと、様々なスキルを組み合わせて使用できる ソーサラーの2択。単純攻撃力ではウィザードが強いのですが、ソーサラーのスキルはな かなかユニークなものが揃っており、選択の幅が広がります。

ウィザード
 こと魔法攻撃に関してならば、右に出るものが居ないウィザード。四大属性、光と 闇の攻撃魔術の他、シーン内の任意の箇所・及び周辺に攻無属性撃を行う魔術も扱えるようになり、 相変わらず一点特化が強いです。
 また強力なエンチャントスキル(属性を付与した上に追加効果アリ)、 敵の物理防御点を大幅(なんとSL×10!)に減らす《アーマーダウン》等を持つため戦士職の サポートとしても優秀です(両方同時には使わないよーに)。メイジやニンジャの火力強化系 スキルを取得してきた人は、その頂点を目指すのも面白いかもしれません。
 また、相手の使用した魔術をほぼ問答無用で打ち消す《カウンタースペル》は ソーサラーの《ディスペル》と双璧を成す究極魔術と言えます。

ソーサラー
 パッシヴ系の魔術ダメージ強化スキル《アンプリフィケイション》や広範囲の任意対象を 選択するようになる《ストームソーサリィ》、魔術の対象を増加する《ファストドロウ》、魔法 防御力を無効化する《クラッシュバリア》など既存スキル強化のスキルやテクニカルなスキルが多く、 マイナーアクションやメジャーアクションを一度に二回行えるスキルがトリッキーさに 拍車をかけます。肩書きに違わぬ多様な戦法が取れるクラスと言えるでしょう。
 また持続する魔術(メイジのウェポン系、アコライトの《ホーリーウェポン》や《インヴォーク》) を無効化してしまう唯一のスキル《ディスペル》があります。ウィザードの 《カウンタースペル》同様、有ると無いとでは(特にPC同様のデータを持つ敵を相手にするなら) 物凄い差があるスキルです。


シーフ → エクスプローラー/スカウト
▼ 短剣 VS 射撃
 エクスプローラーが白兵戦闘とダンジョン踏破に特化したクラスなら、射撃戦闘と バッドステータス付与に優れているクラスがスカウト。他の上級クラスに比べるとどち らも若干派手さに欠けますが、これにはこれの良さがあります。

エクスプローラー
 あらゆる感知判定に+1Dするパッシヴスキル《インテュイション》や、トラップ解除達成値を 引き上げる《タイムマジック》が「きっと」メイン の、ダンジョン攻略向けクラス。パーティの最前線を常に歩くが故か、短剣を使った白兵 戦闘のための強力なスキルが用意されています。マイナーで防御値無視する《ピンポイントアタック》 や同じくマイナーで使える範囲攻撃《ゲイルスラッシュ》、非常に広範囲に攻撃する《フリッカースラッシュ》 に攻撃を回避しつつ反撃する《シャドウハイド》などが代表的ですが、 中でも強力なのはダメージに+[行動値]する《デスゲイル》。使用回数に限定のあるもののダメー ジ判定の直前で使用できるため無駄のないスキルです。他に、投げナイフなどの威力を増しつ つ武器が手元に戻る《ブーメランショット》があります。白兵戦闘シーフはこちらです。
 おぉっと、書き忘れ。セットアップ時に一回余分にマイナー+メジャーが行える便利ス キル《トップスピード》を持っています。強力!

スカウト
 射線上のすべての敵を討ち抜く射撃攻撃スキル《ライトニングショット》、パッシヴ射撃強化スキル《マークスマン》、 エンゲージ状態で隠密する《インセンサブル》や幸運を味方につけダイス1つの結果を6にする《ハードラック》、 [幸運]をダメージに上乗せするパッシヴスキル《フォーチュンヒット》、 さらに状況を利用しダメージを与える攻撃スキル等、様々なスキルを持つが特徴のクラス。 バッドステータス付与スキルが豊富で、特に[毒]にダメージ を上乗せできる《デッドリーポイズン》の威力は目を見張るものがあります。
 射撃系シーフはこちらへ・・・といいたいところですが、射撃戦闘クラスとして見るにはちょっと 火力不足の感もあります。バッドステータスが敵に対し何処まで有効か、またどの程度の 頻度で《プロテクション》等のダメージ減少スキルを使われるかが非常に重要です。 アレな話になりますが、GM次第・・・です。



■ 種族スキルへの追加スキル
 種族スキルに対し各種族2つのスキルが追加されました。コレに伴い、種族スキルをメイ ン/サブクラスのスキルを取る代わりに取れるようになりました。但し、タイミングが「メ イキング」のスキルはキャラクターメイキングの段階でしか取れません。また、ARAに記載 されているヴァーナとドゥアンの種族スキルはメイキング時以外では取得できません。
 わざわざスキルを払ってまで取るほど価値の有るスキルは数知れていますが、中には強力 なスキルもあります。既存の種族スキルより単純上位のものも含まれているのはご愛嬌。
 尚、ヴァーナとドゥアンの種族スキルはなかなか魅力的なスキルですがキャラクター作成時 には取得出来ません。これは《ハーフブラッド》でオイシイスキルを持って行くヒューリン との差分と考えても良いでしょう。個人的には、わざわざ能力値的な旨みの少ないヒューリン 以外の種族を選択する意義をデータ的に見出せなかったのでこの方向修正は好印象です。


ヒューリン
▼ 天才に二度目は無いらしい
 メイキングのみ取得できる「何でも[能力値](基本値は上がらない)に+1」する《オールラウンド》、 1シナリオに1度だけ判定ダイスに+2Dする《ギフト》が追加。前者は《コンバットマスタリー》の 完全上位、後者は判定にしか使えない代わりに2倍に《プロヴィデンス》の2倍の価値があります。

エルダナーン
▼ さらば既存のスキル達!不老になるのは後回し
 魔法ダメージを+1する《オフェンシブセンス》と、メイキング専用の[知力基本値]に+3する 《マジックセンス》が追加。後者は《マジックマスタリー》《イモータリティ》の完全上位 です(ただし《イモータリティ》の「自然死しない」特性を除けば)。  ・・・まてよ、《イモータリティ》は後付け取得できるから・・・

ネヴァーフ
▼ ポーションの飲み方を教えてやる
 [命中][錬金術]以外の[器用]判定の達成値に+1する《テクニックマスター》、ポーションの効果値を +2する《ラーニングポーション》が登場。後者はポーション使いのアルケミストは非常に欲しくなる スキルです。

フィルボル
▼ ダンジョン攻略・回避系
 [回避判定]の達成値を+1する《ニンブル》、[トラップ解除]に+1する《リラックス》が追加。 元々フィルボルはどれを取得してもオイシイので、純粋な選択肢増加です。

ヴァーナ
▼ 口を開ける前と後に「Sir」と言え!
 集団の指揮を執ることでギルドメンバー全員の[行動力]に+2する《ジャッジメント》と、[トラップ探知]以外の感知判定 に+1する《ワイルドセンス》が追加。前者はある意味衝撃的な強さです。ドゥアンも同じですが、 ヴァーナの追加スキルはキャラクター作成時に取得できません。ヴァーナがある日突然 キビキビと指揮を取り始めるパーティが今後、増えていくのでしょうか・・・?

ドゥアン
▼ 戦闘系の面目躍如
 転倒を無効化する《ステッドファスト》、白兵攻撃のダメージに+2する《ストロング》 が追加。大幅に戦闘力が強化されました。ヴァーナ同様、ドゥアンの追加スキルはキャラクター 作成時に取得できません。単に見た目がゴツイだけで実質ドゥアンハーフの方が上位だった時代は 終わり、ドゥアンの戦士がついに脚光を浴びるか?



■ 既存クラスへの追加スキル

ウォーリア
▼ 回避するだけが能じゃない
 防御点版パリィの《ディフェンダー》、及びセットアップ時にコストを消費してダメージを1D増加す る《パンプアップ》が追加。前者は物理防御にしか作用せず、後者はSLで軽減可能とはいえ回避が 下がる挙句コストも食ってしまうため、何処まで有用かは考えどころです。・・・他に 強力なスキルが目白押しなので、単に目が肥えているだけかもしれません。


アコライト
▼ 七大神・勝ち組/負け組
 ヒールを1D増強する(SL制では無い)パッシヴスキル《アフェクション》、七大神の加護(七種類から選択) を得るスキル《フェイス:(七大神のいずれか)》が 追加。後者はどの神様の加護を受けるかで効果が変わりますが、[武器攻撃]を必中(回避 不可)に変えるスキル、同様に[魔法攻撃]を必中に変えるスキル、ダメージを任意点(SL に影響される)肩代わりするスキル、1シーンの間武器を[属性の無い魔法ダメージ]にした 上で命中値を+[SL]するスキルが非常に強力です。前者三つはSLに使用回数が影響されます が、それでも十分な強さがあります。他、ヒールを[SL]回だけ範囲(選択)にする、判定ダイ スを1つ振りなおす(1シナリオにSL回使用可能)、任意属性の魔法ダメージを与えるスキル がありますが・・・この3つは正直なところイマイチです。アコライトが信仰する神様を明 確にするためのスキル追加もかねたのかも知れませんが、だとしたらここまで大きな性能差 を入れたのはマズかったかも知れません。
(某ソードワールドTRPGにおける単発セッションプリーストが1レベルならチャザ(ラッ ク)、3レベルならラーダ(ウィークポイント)、5レベルならマイリー(バトルソング) を信仰するのと似たような感じですが、キャラクターのレベルを選ばないところを考える とアレより酷いような気もします。)


メイジ
▼ クラス紹介文に見合う能力に・・・突然の超★パワーアップ
 属性魔法の攻撃力を上昇させるパッシヴスキルが地水火風各1種、取得時に地水火風を 選択してマイナーアクションで属性魔法の攻撃力を上昇させるスキル《エキスパート》が 追加されまし た。共にスキルレベルを要求される為、元の攻撃魔法を含め全て5レベルまで上昇させる と合計15スキルかかりますが、全部極めれば期待値ダメージが55+X(X=基本となる魔法 の修正値、火なら+2Dなど)になります。問題は上級職になるまでに全部極めようとする と後6スキルしか余力が無い事、防御力が完全に人任せになる挙句攻撃特化になることで しょうか。残りのスキルは防御系や補助系スキルに固めると良いでしょう。
 私見ですが、メイジの火力の無さに批判があってヤケクソ気味にスキルを追加した 感もあります。


シーフ
▼ ようやく危険感知スキルが補填
 危険感知に+1Dするパッシヴスキル《サーチリスク》と、投石を行う射撃攻撃スキル 《ストライクスロー》が追加。前者のおかげでようやくシーフも胸張ってダンジョンの 先頭を歩けるってもんです。後者のスキルは・・・残念な がら趣味のスキルでしょうか。正直なところイマイチです。


サムライ
▼ 心眼で魔法を避けろ
 マイナーアクションで使用する「コストを消費しつつメジャーアクションのコストを0にする」 特殊なスキル《クリアマインド》、魔法に対する回避力を増加する《トゥルーアイ》が追加。 どちらも微妙なスキルです。特に前者は普通の作り方をしたキャラクターには役に立たないような・・・。


モンク
▼ MPダメージでボスもヘロヘロに
 HPダメージをMPダメージに変更する《マインドクラッシュ》と、 MPを消費した分ダメージを増加させる《エナジーフロウ》が追加。 前者のスキルを使用されるとMPに頼った作りをした敵は雑魚と化す可能性 があるので、GMは特に気をつける必要があります。後者はダメージ判定の直前に使える ので、一気にダメージを増やすのに使えるとは思うのですが・・・最大消費量がSLに影 響される上に消費した1点につき1ダメージ増加なので、どこまで有用かはGMのバランス やパーティメンバー、ギルドスキル次第になるでしょう。


サモナー
▼ 召喚師は多芸推奨
 召喚術の効果を+1Dするパッシヴスキル《ハイサモナー》と、 神様(GM)に質問する《クウェリイ》が追加。前者 は多芸なサモナーほど役に立たせることが出来ます。火力面ではメイジ系スキルに大きく 引き離されてしまいましたが、その分は技の多彩さでカバーと言ったところでしょうか。 後はセージの《エフィシエント》、ニンジャの《エンハンススペル》等で補填しましょう。 後者のスキルは・・・GMやPL次第で使えたり 使えなかったり。使い方の例としては

  ・ダンジョンのトラップ配置を教えてください
  ・むしろマップ全部コピーさせてよ
  ・そんなものよりボスのデータを教えろ
  ・今回戦うモンスターを全部教えてもらったほうが
  ・殺人事件の犯人を教えてもらうってのはどうだろう
  ・ヒロインのスリーサイズキボン (*´Д`)ハァハァ
  ・俺を愛していると言ってみろ

等々。色々な使い方を試してみましょう。


レンジャー
▼ 白兵キャラはレンジャーを経由する
 [白兵攻撃]の命中に+(SL×2)するパッシヴスキル《イーグルアイ》と、 1分類の敵に対する[武器攻撃]ダメージに+[SL]D6するパッシヴスキル《スレイヤー》 が追加。特に前者は殆どの白兵戦キャラクターが欲 しがる非常に強力なスキルです。また後者はシナリオ(キャンペーン)の傾向から敵の種 別が固定されるなら評価が跳ね上がります。単発なら今回予告から大方のネタを推測できれば 非常に便利。
 白兵戦スキルは各クラス充実しているので、レンジャーはむしろ射撃系スキルを強化し て欲しかったんですが(特に弓!)・・・。ちょっとションボリックです。


アルケミスト
▼ 範囲ポーションで味方にご奉仕
 (スタン、ポイズン)グレネードの攻撃力に+[SL]D6するパッシヴスキル《グレネードマテリアル》、 自分を除いた範囲(選択)にポーションを使う《マグニフィケーション》が登場。 前者は相変わらず味方を識別出来ない ためあまり有用とはいえませんが、後者は味方にとって非常に有益なスキルと言えます。


バード
▼ 属性の魔法使い、ここに見参
 あらかじめ使用しておく、特定の属性攻撃を一度だけダメージ軽減するスキル《カロル》と 対象の属性を任意属性に変更するスキル《スレノディ》が追加。 前者は回避前提のPTであればなかなかよい スキルと言えそうです。また、後者は敵の使用属性に応じてパーティメンバーの属性を 切り替えたり、逆に敵に使用してその反対属性を武器にエンチャントすると言う戦法が 取れるため非常に有用なスキルです。高レベルになるにつれ、その真価を発揮してくれ ることでしょう。



■ 一般スキル
 通常のクラススキル(メイン、サブ共)の代わりに選択できる、誰でも取得可能なスキル が合計5つ追加です。中でもメイキング時に取得する、2,500G以下のアイテムを一つ持っ てくるスキル《サクセション》はコンベンションプレイ等で資金が抑えられている時には 非常に便利だと思われます。
 他には狩りを行い収穫を得る《ハンティング》、釣りを行い精神を癒す《フィッシング》 (魚釣りですよ?)、短時間の休息でHP・MPを回復する《レストタイム》 、能力基本値を上げる《トレーニング》があります。効果の ほどは最後のひとつを除きどれも微妙です。メイキング時に一般スキルを選択する方法は P27の柱に記述があります。




■ ギルドスキルへの追加スキル
 ギルドスキルも17個追加。今回からスキルに「レベル」の概念が追加されました。強いスキルほど レベルが高く設定されており、スキルレベルの合計がギルドメンバー中最大のCL以下まで取得 可能です。ちなみにこの追加データは何故かP142「GM用追加データ」に記載されています。
 ところで、重ねて取得可能なギルドスキルは上限の記述がありません。 10レベル冒険者が既存スキル《加護》を10個取るのは相変わらずOKと言うことで。 ・・・いいのかなぁ。

1レベル
 1シナリオに3回まで[離脱]を除く移動がセットアップタイミングに行える《陣形》、 地下迷宮の奥底だろうが最強モンスターとの戦闘中だろうが商人を呼び出し売買が行える 《派遣販売》他、合計4つのスキルが追加。既存のギルドスキルの扱いも全て1レベルと なりました。 特に後者は「基本的に、マジックアイテムを含めたすべてのアイテム」を売ってくれるため、 今回追加された強力なマジックアイテムを出し渋るGMも金さえあれば1発KOです。
(ちなみに今回多くの一般武器や防具が追加されましたが、どんなに高い武器・防具 も既存及び新規追加を含むマジックアイテムよりも「高くて弱い(それもかなり)」 モノが多いため、マジックアイテムの扱いには注意したほうが良いかも知れません。 煽るようなコト書いておいてなんですが)
3レベル
 バッドステータス1つを無効化する《耐性》、武器・防具から1つを鍛える《強化》など 合計5つが登場。特に、全員が一斉攻撃を行い合計ダメージを[HPダメージ]として与える 《合体攻撃》に今回追加されたアコライトの「攻撃を必中にする魔術」を組み合わせれば、 殆どの敵を一撃でKOできてしまう事でしょう。
5レベル
 特定の能力値判定に1Dを追加する《修練》、味方全員のバッドステータスや[戦闘不能] を回復し自分が[戦闘不能]になる《自己犠牲》など4つが追加。5レベル分の「枠」を取って しまうので、このあたりから取得が苦しくなります。比較対照としては「《加護》5つ分の 価値があるか」。ここでどちらを取るか悩むならば、取得する価値はあるはずです。
10レベル
 《祝福》、《蘇生》と同じ効果のスキルに加えフェイトを全快させる《復活》など、 合計4つが追加。効果は相当強力ですが、ここまで来るとよほど高レベル冒険者でもまず 取得はしないと思われます。




作成者:Tryarks(三元の間)
スペシャルサンクス:ouki様、ほゑほゑ師、エックス(仮)様
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