TRPGシステムレビュー
アリアンロッド
村人からのお願いに 笑顔で答えて地下迷宮
化け物退治にお宝GET 今日は皆で宴会だ!
其処に行くのに理由は要らぬ
冒険求めてニシ⇔ヒガシ。
どんなゲームですか?
ライト系ファンタジーです。TRPGの原点とも呼べるもので、宝の地図一枚を頼りに冒険に
出て地下深くまで続く迷宮を探索したり、モンスターに生贄を要求されて困っている村人を
助けたり、悪い魔法使いに囚われたお姫様を助けに行ったり、世界を救うために伝説の宝を
捜し求めたりする、そんなお話をやります。
プレイヤーキャラクターはどんな人ですか?なにをするんですか?
プレイヤーキャラクターは「冒険者」と呼ばれる特殊な職業についています。他のプレイ
ヤーキャラクター達とパーティを組んで、古い遺跡の探索、危険な旅路の護衛、モンスター
退治や山賊退治など様々な仕事を引き受け、あるいは自分達の目的の為に行動します。
「財宝が眠るといわれる危険な洞窟」があったら入ります。「困っている村人」がいたら
助けます。「砂漠の果てにある幻の都」の噂を頼りに旅をします。
プレイヤーキャラクターは「冒険」をします。彼らは「冒険者」なのです。
ゲームシステムを簡単に教えてください。
TRPGの基本に立ち返ったような、非常に簡単なシステムで、初級者GMにも問題なく運用で
きます。ややこしいルールや混乱するような仕様もなく、手軽に遊べるシステムになってい
ます。トラップやモンスターデータ等が一通り揃っている点も評価できます。
キャラクターは6の種族(人間、エルフ、ドワーフ、ハーフリング、ねこみみ(?)、巨人種)
から一種類(人間を選んだ場合のオプションとして「○○と△△のハーフ」も可能)、4のメ
インクラス(戦士、僧侶、魔法使い、盗賊)、6のサブクラス(サムライ、モンク、召還術師、
レンジャー、錬金術師、吟遊詩人)からメインクラス1つとサブクラス1つの合計2種類(メイ
ンクラスを重ねても良い)を選択して作成します。あとはFEAR計ゲームではおなじみのライフ
パスを取得、種族とクラスごとにあるスキル(種族は3つのうち1つ、メインクラスから2つ、
サブクラスから1つ)を選択。能力値は種族とクラスで自動的に決定するので、クラスごとに
ある自動取得スキルを書き込み、装備品を購入したらほぼ完成です。キャラクターメイキング
は比較的短時間でできるでしょう。
判定の方法は、能力値+nd6(基本は2d6だがスキルやフェイト[後述]で増加する可能性があ
ります)+修正で判定。判定に使ったダイスが2個以上「6」の目が出たらクリティカル、判定に
つかったダイスの出目がすべて「1」だったらファンブルです。敵にダメージを与える場合は、
クリティカル発生時に「6」の目が出たダイスと同じ数のd6をダメージに追加します。判定がど
ちらもクリティカルの場合、能動側優先です。
前述のフェイトについて。フェイトとは、キャラクターに秘められた「運命にあらがう力」
です。作成時は各キャラクター5点(スキルなどで修正が入る)のフェイトを持っています。
これを使うことでキャラクターは、以下のようなオプションを使用することが出来ます。
・行為判定、ダメージロ−ルなど、あらゆる判定に対して「消費するフェイト1点ごとに1d6」
を追加することが出来る(同時消費するフェイトの上限アリ)
・判定のふりなおし
他にも「ギルドシステム」があり、キャラクターがギルドに所属している場合は、キャラク
ターの成長と共にギルドも成長して行きます。ギルドメンバー全体に効果を及ぼす「ギルドス
キル」は冒険に非常に役立つことでしょう。
また、モンスターはアイテムを所持している可能性があります。これは冒険者の運(ダイス目)
で決まりますが、モンスターを倒した後の1つの楽しみとなるでしょう。
ぶっちゃけオススメですか?
今回はわりとお勧め出来る代物です。D&Dやソードワールドを遊び倒した世代には懐かしく、
コンシューマのオンライン・ゲーム(特にラグナロク・オンライン)を遊んでいる人にとっては
「TRPG版ラグナロク・オンライン」といった認識ができるはずです。
バランスは抑え目に出来ており、破綻しているようには見えません。(それでも強い作り方を
した場合とそうでない場合とで、差は出来てしまいますが。スキル選択ゲームの宿命でしょうか)
相変わらずプレイヤーに経験点が入るシステムですが、嫌いな方はGM救済用と考えて大目に見ま
しょう。レベルアップ制のため、今回はそれほどの差は出にくいはずです。
シンプルなシステム、ヒーローポイント制、PC全員でパーティを組んでの役割分担。古い世代
には懐かしく、若い世代にはある意味新鮮に感じられるかもしれないこのゲーム。なんと価格は
税込み735円!豚丼2杯を我慢して、買ってみるのも一興でしょう。富士見ドラゴンブックから
出版されており、文庫サイズな事も手伝って比較的入手しやすいと思われます。
唯一不満点をあげるならば、スキル早見表が無い事でしょうか。アレさえあれば文句なしに良
いゲームだと思うのですが・・・
|