ここはヒロインが連れ去られるシーンです
・シーンの目的を明示する
R:聞いてくれ。以前、コンベでちょいと気になったことがあるんだ。
A:・・・と、言いますと?
R:「ここは○○が××するシーンです」って宣言。アレってどうよ?
A:んー、そうですね。シーンごとの目的を明確にする、と言う意味では使っても良いのではないでしょうか。
シーンごとに区切りを入れるゲームである以上、それぞれのシーンには目的が必要だと思いますし。
R:「妹の仇、『両手が右手の男』の情報を探るシーンです」とか?・・・ソレって本当に必要か?
A:シーンを冗長にしないためにも、シーンの指針はあった方が良いですよ。GMとPLとで完璧に意思疎通が
できているなら問題ありませんが、現実的に100%というのは難しいでしょうから。
シーンごとの目的が存在するなら、目的達成がシーンを区切る目安になるはずです。
R:ふむ。そういわれると程度次第では必要だと思えてはきたが・・・
問題は、そう・・・例えばだな。
「ここはPC@(カブト)が護衛対象のヒロインをさらわれるシーンです」
とか宣言されると、激しく萎える。
A:そりゃまあ、気持ちは・・・わかりますけど。
R:そこまで「シーンの目的」を決められてしまうと何もできんしな。それに逆らうのもなんだし。
A:それについては一概にどうとは言えませんね。そもそも前者の例(情報を調べる)と後者の例
(さらわれる)は端的な例ですが、同列に扱うのもどうかと思います。
・シーンの指定@ 状況を指定する
A:N◎VAのみならずTRPG全般で行われる手法です。ことN◎VAにおいてはRL・PL間でどんなシーンにするか
−「情報を調べる」「他のキャストと合流する」「ゲストとの会話」など−を話し合って決める(場合
が多い)ため、この手法は頻繁に使われます。
R:ああ、意図しないで使ってるケースも多いな、コレ。自分と関わりの薄いキャストに繋げるシーンをRLに
要求するとか。行動宣言そのものがシーン指定になってるわけか・・・
・シーンの指定A 結果を指定する
A:そのシーンの結末を指定する手法です。結果として成される(またはなされなければならないこと)
を明確にすることで、シナリオを円滑に進行させるためにこの手法が使用されます。
R:俺が気にしてるのはこの類だな。言われたらその通りに動かなけりゃいけないのか?なんかこう、
「台本シナリオ」やってるみたいで気分が悪い。
A:・・・また随分とギリギリの台詞を。しかし、コレはコレで必要な場合もありますよ。
R:そうか?まあ、そう言うなら利点/欠点でも並べてみるか。
・シーンの結果を伝える場合
○ シーンの内容が事前に打ち明けられるため、RLが想定したとおりの状況になる(※1)
○ シーンの趣旨がダイレクトにPLに伝わるため、PLが何をすればよいのか明確になる
× シーンが強制になる(※2)
・シーンの結果を伝えない場合
○ シーンの内容が確定していないため、PLが結果を自由に演出できる(※3)
× 進行中の事態をどうすべきか判断に迷う(※4)
× RLにとって想定外の状況になる可能性がある
※1:ここでは利点として扱う
※2:これを嫌う人もいると言う意味での欠点とする
※3:本当に自由かどうかは、ここでは別問題としておく
※4:神業によるイベント時、その神業を打ち消していいのか?など
R:・・・と、こんなもんか(何か色々と欠けている気はするが)。
A:そうですね。上記を見る限りでは、シーンの結果を事前に指定する大きな理由としては
「キャストがゲストに負ける」
「護衛対象が死ぬ」
「ヒロインが連れ去られる」
「敵ゲストが逃げる」
「眼前で世界の危機が展開する」
と言った(多くは神業を使用した)イベントに代表される「シナリオ上で結果が決定しているイベント」
に矛盾を起さないための安全装置であることが挙げられます。
実際、シナリオ崩壊を防ぐためにもそれは必要だと私は思います。
R:かも知れんが、「じゃあ次はヒロインがさらわれるシーンです」なんていわれてもなぁ・・・。
A:うーん、それでテンションを下げられるのはRLとしては望むところではないんですよね。では、
ココらで一つ「結果を宣言せずに済む方法」を考えてみましょうか。
・結末を事前に言わないために
方法1.オープニングでは神業の使用は控えてもらい、強制イベントをオープニングに集約させる
R:ああ、オープニングなら確かに概ねスルーだな。自由度の高いオープニングなんてあまり聞かないし。
A:解っているなら問題ないんですが、意識合わせは必要だと思いますよ。
方法2.ゲーム開始前にリサーチフェイズ中のイベントでの神業の使用を控えて貰うように話しておく
R:要するに、イベント妨害禁止ってコト?
A:「PLにゲーム進行を手伝ってもらっている」と言ってください・・・。ただ、予め話しておけば少なくとも
ゲーム中にトラブルは起こり難くなるはずです。
方法3.妨害された場合の対策用の神業を用意しておく
R:これは神業合戦から泥沼になる場合も・・・
A:その危険性はありますし、PLが神業を有効に使っていないことになるためあまりお勧めはしません。
ただ、察しの良いPLなら妨害に使った神業をさらに妨害された段階で「ああ、妨害してほしくなかったんだな」
と気がついてくれるかと。
R:・・・だといいがな(薄笑
方法4.妨害された場合の展開を常に考えておく
R:個人的にはそれが理想だな。本来の意味での自由がPLに与えられるわけだし。
A:それは確かですが、非常に難しいと思いますよ。アドリブ能力に優れたRLでなければ突発的な事態には
なかなか対応できませんし、起こり得る状況を事前に全て予測するのはほぼ不可能です。
R:そこはそれ、日々の修行って奴さ。
A:・・・大変ですけどね。
(ミ 米)ノ 鍛えてます!
方法5.素直にぶっちゃける
A:シナリオの都合上、どうしようもない時はPLにそこでは動かないようお願いするのも手です。
R:ある意味一番普通のヤツだな。流石にRLに「ごめん、このシーンでは神業妨害しないで」とダイレクトに
言われたら、そこでは大人しくするだろうし。
A:RLが言ってしまう前に、PLがRLの顔色を見て動く・動かないを判断してくれるとRLとしては助かると
思いますよ。
方法6.キャストが登場できないルーラーシーンにする
R:もうこれでいいんじゃねぇの?自キャラも登場できないようなシーンにわざわざ介入するヤツもそういないだろ。
A:確かにそうなんですが・・・「キャストには出ていて欲しい、でも手出しして欲しくない」みたいな状況はどうなるんでしょう?
R:それこそ自身(キャスト)の眼前で展開して欲しくないよ。
「あの時俺がそばにいればこんなことには」は許容できても、「ヘタレを演じろ」ってのはきついもんだぜ?
・(理)総論
R:場の雰囲気やら方向性やらで、どうするのが一番面白いのかPL側がなんとなく解れそうなもんだがな。
A:理想的にはそうなんですが、なかなか難しいものですよ。気心知れたメンバーでさえ上手くいかない場合は多々
あるんですから。スムーズにシナリオを進行させるために、環境や状況に応じてシーン結果の明示や事前相談を
使うのは悪いことではないかと。
R:そこで強制、ってのもなんだとは思うけどな。何をしたいのか、或いは何をさせたいのか。PLとGMがその辺を
ゲーム中に上手く詰めながらお話を進めて(創って)いくのがN◎VAの醍醐味だと俺は思うんだがね。
RLであれPLであれ
「ゲームを面白くしよう」と言う想いは
全員に等しくある・・・はずだ。
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